前回は「テレアポはトレジャーハンティング(宝探し)だ」というマインドセットについてお話ししました。
心の準備ができたら、次は「物理的な準備」です。
あなたはテレアポをする時、デスクに何を置いていますか?
PC、電話機、メモ帳、マニュアル……。
もし、これしか置いていないのであれば、非常にもったいない!
私が激戦区で全国トップ3に入った時、デスクには必ず「あるもの」を置いていました。それは「鏡」です。
今回は、アポ率を劇的に上げるための「環境作り」と、トップ営業マンだけがやっている「少しズルいリスト戦略」について包み隠さず公開します。
1. デスクに「鏡」を置け!「笑声(えごえ)」の作り方
「電話なのに鏡? 相手から見えないのに?」
そう思うかもしれません。しかし、電話だからこそ鏡が必要なのです。
声は「表情」につられて変わる
人間の声というのは不思議なもので、顔の表情がそのまま声のトーンに乗ります。
無表情で「ありがとうございます」と言うのと、満面の笑みで「ありがとうございます」と言うのでは、電話越しの相手に伝わる印象(温度感)が全く違います。これを業界用語で「笑声(えごえ)」と呼びます。
初心者がやりがちな「お世話になっておりますぅ⤴」という、わざとらしい高い声は逆効果です。
必要なのは、「口角が上がった、自然で明るい声」です。
合言葉は「ウイスキー」
そこで鏡の出番です。デスクに鏡を置き(スマホのインカメラでもOK)、電話をかける直前に自分の顔を見てください。
そして、小さな声で「ウイスキー」と言ってみましょう。
最後の「キー」の口の形を見てください。自然と口角がキュッと上がっていますよね?
この口の形のまま「もしもし」と第一声を発するのです。これだけで、あなたの声は驚くほど通りが良く、好印象なものに変わります。
2. 「リスト作成」と「コール」は絶対に混ぜるな
次に、アポ獲得数を最大化するための「作業の進め方」です。
初心者がやりがちな最大のミス、それは「1件リストを探して、1件かける」という繰り返しです。
- 会社を探す(思考モード)
- 電話をかける(トークモード)
この2つは脳の使い方が全く違います。これを行き来していると、集中力が途切れ、いつまでたってもペースが掴めません。
マシンガンの弾(リスト)を先に込めろ
トップアポインターは、時間を明確に分けています。
- 午前中(または前日): ひたすらリストを作成し、弾を込める。
- 午後(ゴールデンタイム): 一切の検索をやめ、ひたすら撃ちまくる(コールする)。
「次はどこにかけようかな?」と迷う時間はゼロにしてください。
リストという名の「弾」を十分に用意し、あとは無心でトリガーを引き続ける。これが「ゾーン」に入り、アポを量産するための鉄則です。
3. コール音の間に「トップの名前」をググる執念
今はPCで顧客管理をしている会社も多いでしょう。その利点を最大限に生かすテクニックです。
リスト作成時に「代表者名」を入れておくのがベストですが、もし名前が不明なリストにかける場合は、コール音が鳴っている数秒がラストチャンスです。
「社長様いらっしゃいますか?」は門前払いの合図
コール中に会社名を検索し、代表者名を確認する執念を持ってください。
- × 名前を知らない場合
- 「社長様はいらっしゃいますか?」
→ 受付は「あ、営業電話だ。断ろう」と瞬時に判断します。 - 〇 名前を知っている場合
- 「〇〇(社長の名前)様はいらっしゃいますか?」
→ 受付は「あれ? 社長のお知り合いかな?」と一瞬迷います。
この一瞬の迷いが、受付突破率(ゲートキーパー突破率)を劇的に高めます。
固有名詞を出せるかどうか。指を動かす手間を惜しまない執念が、アポ率を左右するのです。
4. 過去のNGリストを「お宝」に変えるズルい技
最後に、多くの人が捨ててしまう「NGリスト(断られたリスト)」の活用法です。
実はここにも、突破口が眠っています。
特に効果的なのが、「リエントリー(再アプローチ)」と呼ばれる手法です。
魔法のフレーズ
「以前、弊社の別の担当がお話しさせていただいた件なのですが、今回サービスの内容がリニューアルされまして、そのご案内で……」
このトークには、強力なメリットがあります。
- 「初めまして」ではない安心感
「全く知らない会社」ではなく「以前やり取りがあった会社」だと思わせることで、受付の警戒心を解きます。 - 新人のメンタルが守れる
「前の担当の話だし」と割り切れるので、恐怖心が薄れます。
諸刃の剣だが、突破率は確実に上がる
もちろん、これは諸刃の剣でもあります。
「以前断ったよね?」「何が変わったの?」と鋭く突っ込まれるリスクはあります。
しかし、「初めまして!〇〇会社の~」とバカ正直に名乗って即ガチャ切りされるより、「あ、どうも」と受付を通過できる確率は確実に上がります。
- 「何が変わったの?」と聞かれたら、「料金プランがお安くなりまして!」と一言で返す。
- 「断ったはずだけど」と言われたら、「失礼いたしました!新サービスのご案内でした!」と引く。
このリスクを取ってでも、打席に立つ回数を増やしたい新人にとっては、非常に有効な「手札の一つ」です。
まとめ:準備で勝負の8割は決まる
今回の【準備・環境編】のポイントです。
- デスクに鏡を置き、「ウイスキー」で口角を上げてから受話器を取る
- 「リストを作る時間」と「かける時間」は分ける
- 「以前、別の者が~」トークで、受付の警戒心を解く(リスクはあるが効果は大!)
物理的な武器(環境・リスト)を揃えたら、いよいよ次は「実践トーク」です。
マニュアルの棒読みではアポは取れません。
次回は、【トーク基礎・演技編】として、トップアポインターが実践している「女優のような演技力」と「相手を信じ込ませる話し方」について解説します。
テレアポの準備とリストに関するよくある質問
Q. 鏡を置くのが恥ずかしいのですが、必須ですか?
A. 必須ではありませんが、効果は絶大です。もしデスクに鏡を置くのが恥ずかしい場合は、スマホのインカメラを自分に向けて置いておくだけでも代用可能です。自分の顔(表情)を意識することが重要です。
Q. コール中に検索して、もしすぐ相手が出たらどうすればいいですか?
A. 検索の手を止めて、すぐにトークに入ってください。一番ダメなのは「えーっと」と第一声が遅れることです。検索はあくまでプラスアルファの武器なので、通話品質を最優先にしましょう。
Q. 「以前別の者が~」というトークは嘘になりませんか?
A. 完全に架空の話をするのはNGですが、過去に一度でも会社として接触(架電やDM送付など)があるなら、それは「事実」です。嘘をつくのではなく、過去の事実を利用して「全くの新規ではない」という安心感を演出するテクニックです。


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